SOFAR
音の伝わりを意識したこと、ありますか?
音の伝わる現象で有名なのが、高校物理で習った、ドップラー効果ですね。
遠くから救急車のサイレンが近づき、通り過ぎてから音程が低くなっていくあれです。
ドップラー効果は音に限られた現象ではありませんが、要は波の特性を表しているのです。
他には、少し専門的になりますが深い海の中では、上の層に伝わるほど温度が高いため曲がり、もっと深い層では圧力が高いために曲がります。
ある層においてはこれ現象を繰り返し、遠くまで伝播する層があります。この現象のことを「SOFAR(Sound Fixing And Ranging)」といい、この層を「SOFARチャンネル」又は「サウンド・チャンネル」というそうです。これを利用しているのが潜水艦のソナーです。
海の中のある深さで、音が遠くまで伝播するチャンネルがある、というのはなにか浪漫を感じます。
今でこそ通信技術が発達して世界との距離は縮まり、遠いところにすむ人との会話も容易になりましたが、人間が通信インフラを開発する以前から、人間が生まれる前から、地球が今の環境になったときからすでに自然の用意したインフラは、在ったのです。
そういえば、この現象に関係する言葉を利用した音楽アーティスト、イベントの名前、多いですよね。
うわ、やられた。なんて思ったりもしたりしなかったり。
音を伝える、というのはそこに存在する者の気配を伝える、伝え方にも、ただ伝えるのではなく、大きい音で伝える、小さい音で伝える、念で伝える、波動で伝える、等々。
音楽は伝えるという行為の結晶物と仮定するなら、いつ、どこで、だれに、なにを、なんのために、どうやって、という基本さえ自分なりに押さえておけば、様々な伝え方、伝わり方があります。
きっとそういう思いを込めて、イベントの名前に使ったりプロジェクト名に使ってみたりするのではないでしょうか。
参考:
アメニティ &サウンド (http://www.ari-web.com/mm/index.htm)
地球科学技術の耳学問 (http://homepage3.nifty.com/nishimura_ya/earth/)