Metalob

Plastic Forest
Elektrolux
e10000010_gr.jpgドイツのアンビエントレーベルの老舗、Elektrolux に所属する日本人アーティスト、Metalob(メタロブ)こと寒川真澄のワールドリリース2作目にして初のフルアルバム。Space Night vol.IXに収録されたairwaveを始め、Compost RecordsのオーナーMichael ReinbothのDJ Playlistで脚光をあびたsantarism、ドイツのyouFMでpowerplayのNerve Fish、Anpleを含む全9曲が収録されている。
心地よいウワものと、繊細でどこまでもつきすすんでいくエレクトリック・ブレイクビーツはどんなシチュエーションで聞いても聴き応えがある。
変わった音を使って変わった曲にしようとか、新しい作り方で新しさをアピールするようなことはなく、彼の独自の感性をそのまま表現したような、日本人にはなかなかいないセンスの持ち主。
USのラジオサイトなどでも1位をマークするなど、海外においてもすでに注目度が高まってきている。
本当に好きな音、音楽とはなんなのか、そこを突き詰めていくことが大事なんだな、と思わされてしまう。

2005年01月20日: mikado

Bola

Gnayse
SKAM
870.jpg待ちに待った待望の最新作。
相変わらず美しいメロディラインと、無機質な音にもかかわらず有機的な空間構成で独特な雰囲気と世界観をかもし出している。

ジャケットのアートワークもさることながら、電子音楽もここまで繊細で作りこまれているとダンスミュージックのように踊るための道具でもなく、かといってバックグラウンドミュージックとして流しておくにはあまりにもったいない、ある意味工芸品のように愛着が湧いてきてしまう。

是非音一つ一つを堪能してみて欲しい。

2004年12月02日: mikado

Liberation Von History /Wechsel Garland

liberation.jpgb>Liberation Von History / Wechsel Garland
発売2002年
Label: Karaoke Kalk CD012/LP21
試聴はこちら

こんなスッキリしない冷たい雨の日は、Wunder名でも有名なWechsel Garland『Liberation Von History 』
これでしょ、やっぱ。
微妙にダサイジャケもなんだかステキ。
エレクトロニカ、牧歌的なんていうと雰囲気がつかめるのでしょうか。
ちょっと人間的で優しく包んでくれるけど、頭は飛ばされるーみたいな。

雨の日は活動的になれない・・・でも、自分を見つめるのにうってつけの日。
カフェオレのんでホゥッとため息。
ボーっとした思考がだんだん己に集中し始め・・・ ・・・ ・・・
「まったくなんて私は思い上がった恥ずかしい人間なんだ。世の中はこんなに広いのに・・・視野セマスギッ・・・」と自己反省・・・
「あ・・・恥ずかしい・・・・くやしい・・・う・・・なんておもいあがってるんだ・・ぐぇっ・・・」
反省しすぎて、心臓バクバク、過呼吸気味になったりします。

そんな時にも優しく私をなだめてくれるWechsel Garland☆LOVE。


2004年09月27日: yukarhythm

Eardrum

Side Effects(←amazonで視聴可能)
Leaf
sideeffect.jpg即興パーカッショニストのLou Ciccotelli と Richard Olatunde Baker によるユニット。90年代初頭のjazz, Afro-beat, musique concrète, reggae、を基礎として、Sun RaやMiles Davis, Lee "Scratch" Perry等の精神を引き継いでいるという。が、筆者はそんなことはどうでもいい。ひずみまくりの粗雑なつくり、なによりもパーカッションの迫力がすごい。なんとパーカッションにフィルターやらファズをかけてそれをディレイで飛ばしているのだ。ひずんだパーカッションの低音がそのままベースとなり、ストリングスやメロディは一切無い。あったら余計なほどだ。
さらにTortoiseやHIMとも関係が深いこのパーカッショニストのインプロビゼーション?には本来ミニマルミュージックの持つトランスな要素を存分にみせつけている。じわりじわりと単調なリズムを盛り上げていき、気が付くとカオス状態。ガムランらしきものも混ざる。ベースが曲がる。
もはやこの人たちの音楽に境界線は無い。
しかしながら、やはり音は悪い。店ではエレクトロニカコーナーにおいてあることが多いのだが、これのいったいどこに音響の要素があるのか、エレクトロニックな要素があるのか。
泥臭いトライバルでプログレッシブなこの作品はきっとクーラーのきいたおしゃれな部屋には似合わないかもしれない。
あとは、外で踊るしかない。

2004年06月29日: mikado

Jello

Volle
Peacefrog /vital.
jello.jpgBolaのダリル・フィトン(Darrell Fitton)の別名義、JELLO。別名義といってもBolaと内容はほとんど変わらない。美しいメロディライン、細かいリズム、LRにパンニングされる加工されたへんてこなボイス。とても面白い。1995年にWARPからリリースされた有名なアンビエントコンピレーション、「Artificial Intelligence II 」にも参加してるダリル・フィトンはすでに新鋭ではない。アイデア、感覚はかなり洗練されていて先をいっているように感じる。Bolaと少し違うところはファンクな要素とエレクトロニカ的要素が強い。4,5,6曲目のForcasa 1,2,3 ではピアノのメロディと音が奥行きを与えていて何かノスタルジックな気分になる。2002年に新宿リキッドルームで行われたSKAM NIGHTでこの曲をライブで披露していたときにバックで流れていたイメージ(空に浮かぶ凧)がまさにぴったりで印象強かった。

1.Glink
2.Versivo
3.WIC
4.Forcasa 1
5.Forcasa 2
6.Forcasa 3
7.Pendulus
8.Amnion
9.Aguilla
10.Whoblo

2004年05月21日: mikado

Nor Elle

Phantom of Life
Mole
phantom.jpgNorman Fellerによるアンビエント・エレクトロ。2003年にはエレクトロを中心の作品が多いドイツのElektroluxからもリリースしている。「Phantom of life」はファーストアルバムながら完成度が高く、どの曲も聴きやすい構成となっている。カラーはやはりElektroluxのコンピレーションにも登場するだけあって「Aural Float」の Gabriel le Marに近いものがある。4曲目のSilent Storm なんかはかなり空中に浮かぶ感じでgood。

2004年04月12日: mikado

Bola

Soup
skam
coverBolaことDarrell FittonはSkam初期から代表する存在であり、ボーズ・オブ・カナダと共にネオ・アーティフィシャル・インテリジェンス・ムーヴメントと形容された新世代エレクトロニカの勃興に重要な役割を担ったアーティスト。本作は98年にリリースした「soup」が再販されたもの。オウテカにメロディのいろはを教えたとも言われるだけあって、非現実的で美しすぎるとも言えるシンセワークを展開している。心地よい上音にうなるようなノイズビートが高揚感と知的創造性を感じさせる。

2004年02月25日: mikado

Hanayo

献上
Digital Hardcore Recordings / Beat Records
798.jpg日本語テクノパンク、ドイツ仕立て。といったところです。ドイツ人の旦那さんをもつhanayo氏が作り出すこのテクノパンクは、そこかしこに散らばる日本の音風景素材をドイツ風味で料理し、いかにも東京のノスタルジーとカオス具合を引き立てた、少々ケミカルな辛さを持つ逸品。
「お味噌汁」の迫力はすごいがアキバ系の萌えキャラとリンクさせて聞くとより現代的。

2004年02月24日: mikado