YOONKEE
ASIAN ZOMBIE
UUTWO RECORDS
韓国はソウル生まれ、ロンドン在住のアーティストYOONKEE。本作は2004年春にリリースされた彼の1stアルバムであり、DRY&HEAVY/LITTLE TEMPOの内田直之氏がDub Mixを手がけたことでも話題となった作品。若干24歳とは思えないオヤジ臭の横溢した焼け&ユルみサウンドは、マニー・マークや70'Sレゲエあたりを髣髴とさせる。
エフェクターの都合がつかなかったためビニール袋に包んだ機材を風呂桶に沈めて録音してみるなどいい意味でも悪い意味でもいい加減な所がDubミュージックに対する資質そのものといった印象。
(几帳面にやる音楽じゃないでしょう、Dub?)
実際、ヒスノイズが乗りまくった録音とグラグラした音程がこの上なくマッチして、ジャケットも含めたトータルなコンセプトとなって彼の世界を(グダグダな方向で)見事に築き上げている。
特に千鳥足に奏でられるメロディカは泥酔者の内面をリアルに描いたようでサイケデリック。
すべての楽器や録音を一人で行ったからこそ、の濃い世界に浸れる作品。
2004年07月05日: pinaco ↑
TWILIGHT CIRCUS DUB SOUND SYSTEM
THE ESSENTIAL COLLECTION
M RECORDS
DUBとは一口に言っても、音響実験の素材としてのアブストラクトなもの、ルーツ色の濃い黒っぽくまったりしたもの、Uk風のダークなもの…等々、カテゴリは数限りなく存在する訳ですが、このアルバムに関しては、日本の夏のBGM向きとしてカテゴライズするというのもアリかもしれません。屋外での開放的でだらしないリスニングに最適のコンディションにチューニングをあわせるためか、録音は湿気を含んだこもった音質、ザラついた録音であり、最後まで一様に茫洋とゆるんでいます。
そこで繰り広げられるリフやメロディはあくまでオプティミスティックでイージーであり、聴く人間の作業や思考を妨げない範囲が意識されているかのよう。ネジのゆるむような脱力感を体感できるかも。オランダはアムステルダムのレーベルからリリースされている作品ではありますが、聞いた話によれば、アーティストは日本に滞在していたことがあるのだとか。(あくまで伝聞ですので、あしからず。)斬新さやインパクトの強さではない方向へ、海を渡る牛車のように歩んでいるアーティストなのでありましょう。
2004年05月26日: pinaco ↑
Dylan Group
Ur Klang Search
P-vine
ヴィブラフォンを使った生バンド、Dylan groupの3作目は、Orbのカバーなどを試みるなどダブ色を強めつつ、それでいてポップなところがいい。
特にヴィブラフォンが気持ちいい1曲目のスティーブ・ライヒを思わせるミニマルとダブをうまくからませているのは彼らならではのやり方なのだろう。
2004年03月17日: mikado ↑
Him & The Dylan Group
Him & The Dylan Group
Bubble Core Records USA
プロデューサーであるダグ・シャーリン(him)と、狂ったようにうなるヴィブラフォンを中心としたダブバンドDylan Groupのスプリットアルバム。粗雑なつくりと淡々とした調子がゆるぎないものを感じさせる。ダブというジャンルの中で見てもかなりクールな方です。
2004年03月01日: mikado ↑