Eardrum
Side Effects(←amazonで視聴可能)
Leaf
即興パーカッショニストのLou Ciccotelli と Richard Olatunde Baker によるユニット。90年代初頭のjazz, Afro-beat, musique concrète, reggae、を基礎として、Sun RaやMiles Davis, Lee "Scratch" Perry等の精神を引き継いでいるという。が、筆者はそんなことはどうでもいい。ひずみまくりの粗雑なつくり、なによりもパーカッションの迫力がすごい。なんとパーカッションにフィルターやらファズをかけてそれをディレイで飛ばしているのだ。ひずんだパーカッションの低音がそのままベースとなり、ストリングスやメロディは一切無い。あったら余計なほどだ。
さらにTortoiseやHIMとも関係が深いこのパーカッショニストのインプロビゼーション?には本来ミニマルミュージックの持つトランスな要素を存分にみせつけている。じわりじわりと単調なリズムを盛り上げていき、気が付くとカオス状態。ガムランらしきものも混ざる。ベースが曲がる。
もはやこの人たちの音楽に境界線は無い。
しかしながら、やはり音は悪い。店ではエレクトロニカコーナーにおいてあることが多いのだが、これのいったいどこに音響の要素があるのか、エレクトロニックな要素があるのか。
泥臭いトライバルでプログレッシブなこの作品はきっとクーラーのきいたおしゃれな部屋には似合わないかもしれない。
あとは、外で踊るしかない。
2004年06月29日: mikado ↑
Burnt Friedman
Con Ritmo
Nonplace
ラテンジャズバンド、The Disposable Rhythm SectionとBurnt Friedmanとのライブレコーディング・アルバム。編集されているものの音がとてもクリアーで迫力もあり、何度聴いても飽きない傑作プロジェクト。コンガ、ビブラフォン、ギター、キーボード、そして後半本性をあらわすブリブリのベースは、ダブ、ジャズ、ラテンを通してフリードマンの変態さ加減を一味も二味もひきたてている。
特に6曲目の「Destination Unknown 」はかなり気に入っているのだがJosef Suchy のギターが狂気を感じつつもかなりエモーショナルで感心してしまう。最初、初めて聞いたときは普通にかっこいいJazzアルバムに感じて買ったわけだが、そこかしこにちりばめられたフリードマンのしかけに気づき、坪をつかれてしまった。それ以来彼の作品は全て手に入れるようにしているが、どれもすばらしい作品ながら、やはり今のところこの作品に勝るものはないようだ。
2004年06月21日: mikado ↑
Biosphere
Cirque
Touch
これはかっこいいです。包み込まれるような暖かい上音と、少し温度の低いリズムの独特な空間構成。Biosphereはノルウェーのゲイル・イエンセン(Geir Jenssen )によるプロジェクトで、KLFが話題を集めていた時代から活動していたアンビエントの老舗的存在。
想像力を生み出すための音楽という前提のもと、様々なコンセプトによる楽音を生成しつづけている。アンビエントファンなら、このBiosphereは聞いたことがある人も多いはず。
この「Circue」は、前半ゆったりとした落ち着きのある感じで、まずはここで気分が良くなる。中盤では少しコンセプチュアルな音でクールダウン、後半ではドラムンベース調でスピードを上げていく。ミニマルな手法を好み、あまり極端にテンションを上げたり大きな変化を作らない。湿潤度40%といったところか。Biosphereの数ある作品の中でも、最もフェイバリットな作品をまずはご紹介。
2004年06月14日: mikado ↑
Ian Boddy
Aurora
DiN
このCDについて語る前に、私がアンビエントについて系統分けするときよく使わせていただく言葉をご紹介します。
単純ですが、「乾き系」と「濡れ系」です。
「乾き系」はあまりエフェクトをかけないで、音一つ一つで空間を表現し、割とモノトーンな感じです。よく音響系といわれるジャンルでしょうか。それに対して、「濡れ系」はエフェクトをかけて元の音がなんだかわからないが全体的な雰囲気で表現するというもの。シンセでフィルターかけて曲げてみたり、ディレイを多用したりという具合です。ミックスマスター・モリスやピート・ナムルック等をイメージしています。あくまで私が勝手にカテゴライズしているだけです。
で、このCDは「濡れ系」なのです。ここ数年、音響物が流行っているようにも見えるなか、こういったものは古いアンビエント(アンビエントという言葉自体古いと言われるかもしれませんが)として飽きられてしまっていたのですが、だからといって廃れていくわけでもなく、またこういうものを本当は好きな人がいっぱいいるはずなのです。
このIan Boddyの"Aurora"は、曲がったシンセやディレイ効果で存分に濡らし、目を閉じて聞けば、北極の光のような冷たくも暖かいイマジネーションと宇宙の波動を感じさせるエネルギーが見事に表現された、聴き応えある作品と言えます。
アマゾンで購入→Aurora
2004年06月12日: mikado ↑
V.A./Rough Trade: Counter Culture 3
はじめまして。 ようすけ管理人といいます。OTAIRECORDってとこでレコード売ってます。 レコード屋で働くのって、音楽好きにとっては楽しいイメージがあるっぽいですが、実際めちゃくちゃ楽しいです。 大変な部分もありますが、でも、楽しいほうが勝っていて、こんなこというと怒られちゃいますが、毎日遊びにいってるようなものです。 んが、しかし、音をレコメンドすることばかりで、実際BUYERなどもやるから、聴くことは聴くのですが、あくまで仕事の耳になっちゃうんです。自分の場合は。 だから最近はプライベートなFIELDではある種枯渇感を覚えていました。 そんな時PHONOTOPEを見て、質のよいリコメンドがあったので、参加したいなって思い、参加させていただきました。 あ、リコメンドでした。 しゃべりすぎたな。。 アメリカの実験的なものを多く扱うレーベルROUGHTRADEのベスト盤みたいなのです。 打ち込み、からサンプリング、生音まで、適当にぶっこんであります。 聴き物としてはそこまでお勧めでもないです。 ただ、日々の生活に退屈を感じてる人、昔は前衛的な若者だった、、、が最近の私って、、って思ってる人、物を作ってる人、3500円くらいだったっけ、二枚組みなんだけど、そのお金と引き換えに、自分の眠ってる感覚を引き出せたら安いものです。 固まった感覚に針治療。 いろんな表現があるよ、ここには。 迷ったら自分の思った道を追求すれば良い。 少なくとも私は迷ったらROUGHTRADEに戻ります。 第一弾は「環境は違うが、なぜかずっと続いてる友達の紹介」でした。
OTAIRECORD
2004年06月11日: yosuke ↑
Jimpster
Messages From the Hub
Kudos
Mixmaster Morrisと比較され、Electric JazzにおいてIan O'brianとよく名前があがるJamie Odellの傑作アルバム。クラブミュージックとはいえ、アンビエント独特の空間性とジャズ・フュージョンをベースとした曲構成は聴きごたえ有り。バックに漂う気持ち良いシンセ、女性ボーカルの美しいトーン、気分は浜辺にいながら宇宙を感じるみたいな?そんな軽いフレーズであらわされるほどのものではまったくあらず、これはかなりディープな逸品です。2年程前に青山CAYでのライブが印象的で、このライブを見てCDを探して以来最新リリースを常にチェックです。
1.Releasing Red Soul
2.Weft 'N' Warp
3.Messages From The Hub
4.The Blazing Water/(What's Cooking In The Interlude?)
5.Shivering Sand
6.You Are...
7.What Do You Do?
8.Fundamental Things
9.Static Dynamic
10.Maiden Voyage
11.Solar Plexus
2004年06月08日: mikado ↑
Ian O'brien
Gigantic Days
Peacefrog /vital.
エレクトリック・ジャズというカテゴリーを作るなら、一発目はIan O'brienの"Gigantic Days"を差し置いてほかに無いだろうと思う。宇宙旅行をテーマとした(?)この作品はジャズスタイルとしながらも気分は大気圏を越え遠く100万光年の宇宙のかなたへ飛ばされる。デトロイトテクノの流れからくるIan O'brienはすでにテクノの領域を越えて結一無二の世界観を確立している。快適な速度、快適なリズム、浮遊感のある心地よいシンセ。8トラック(日本版10トラック)すべて聴きごたえある内容となっている。あなたもこれを聞いて是非良い旅を。
1.AMOROUS PERSPECTIVE
2.WHERE DOES THE PAST END AND THE PRESENT BEGIN?
3.AS(part1 Perspicacity)
4.NATURAL KNOWLEDGE
5.MIDNIGHT SUNSHINE
6.GIGANTIC DAYS
7.AS(part2 Contemplation)
8.THE QUESTION OF VALUE
9.COLLECTIVE INVENTION
10.HEARTSTRINGS
2004年06月01日: mikado ↑