TWILIGHT CIRCUS DUB SOUND SYSTEM

THE ESSENTIAL COLLECTION
M RECORDS
TWILIGHT CIRCUS.jpgDUBとは一口に言っても、音響実験の素材としてのアブストラクトなもの、ルーツ色の濃い黒っぽくまったりしたもの、Uk風のダークなもの…等々、カテゴリは数限りなく存在する訳ですが、このアルバムに関しては、日本の夏のBGM向きとしてカテゴライズするというのもアリかもしれません。屋外での開放的でだらしないリスニングに最適のコンディションにチューニングをあわせるためか、録音は湿気を含んだこもった音質、ザラついた録音であり、最後まで一様に茫洋とゆるんでいます。
そこで繰り広げられるリフやメロディはあくまでオプティミスティックでイージーであり、聴く人間の作業や思考を妨げない範囲が意識されているかのよう。ネジのゆるむような脱力感を体感できるかも。オランダはアムステルダムのレーベルからリリースされている作品ではありますが、聞いた話によれば、アーティストは日本に滞在していたことがあるのだとか。(あくまで伝聞ですので、あしからず。)斬新さやインパクトの強さではない方向へ、海を渡る牛車のように歩んでいるアーティストなのでありましょう。

2004年05月26日: pinaco

Brian Eno / Peter Schwalm

Drawn from Life
Virgin
B00005AKNC.01.LZZZZZZZ.jpg2001年6月にリリースされたブライアン・イーノの最高傑作。今までのイーノの作品の中でもっとも優れているし、なによりも音がよい。音楽でこれほどまでに個の世界を表現し切れるものかと驚くほど、イーノの世界が詳細にわたって構築されている。これを聞いて心地よいと思わない人間はきっといないと思う。3曲目の”Like Pictures Part #1”では、女性の声をボコーディングしているが、これがまたとてもキモチイイ。なお、イーノはSFX映画「砂の惑星」で声の特殊加工として参加していたこともある。クラシカルな要素をもちつつ現代的な音響技術と繊細なメロディー、そしてストイックで憂鬱な雰囲気はイーノならではの空気感。やはり一家に一枚。

2004年05月24日: mikado

Jello

Volle
Peacefrog /vital.
jello.jpgBolaのダリル・フィトン(Darrell Fitton)の別名義、JELLO。別名義といってもBolaと内容はほとんど変わらない。美しいメロディライン、細かいリズム、LRにパンニングされる加工されたへんてこなボイス。とても面白い。1995年にWARPからリリースされた有名なアンビエントコンピレーション、「Artificial Intelligence II 」にも参加してるダリル・フィトンはすでに新鋭ではない。アイデア、感覚はかなり洗練されていて先をいっているように感じる。Bolaと少し違うところはファンクな要素とエレクトロニカ的要素が強い。4,5,6曲目のForcasa 1,2,3 ではピアノのメロディと音が奥行きを与えていて何かノスタルジックな気分になる。2002年に新宿リキッドルームで行われたSKAM NIGHTでこの曲をライブで披露していたときにバックで流れていたイメージ(空に浮かぶ凧)がまさにぴったりで印象強かった。

1.Glink
2.Versivo
3.WIC
4.Forcasa 1
5.Forcasa 2
6.Forcasa 3
7.Pendulus
8.Amnion
9.Aguilla
10.Whoblo

2004年05月21日: mikado

Vidna Obmana

Title: Crossing The Trail
Label: Projekt
coverこれはやばかったです。VidanaObmanaという人はトライバルなネタが多いのですが、ニューエイジにありがちなイージーリスニング系のトライバルとはわけが違います。ミニマルなパーカッションの繰り返しの上に、徐々に上音が変化していつのまにか音の渦に巻き込まれます。曲そのものがまるで生きているかのように有機的です。そしてハーモニクスにおける実験性をいつも心がけている彼のシンセワークは時には天国であり時には地獄のようなビジョンをつくりあげています。

1 Encountering Terrain
2 Trail Dwelling
3 Forest Arrow
4 Mission Ground
5 Esoteric Source, The
6 Giant Traveller, The
7 Splendid Place, This


2004年05月16日: mikado

Tetsu Inoue

Ambient Otaku
AMBIENT WORLD/FAX (GERMANY)
aw.jpgアンビエントオタク。タイトルにオタクという言葉を使うからにはやっぱりマニアックな音調でノンリズムで退屈で自己満足の世界かとおもいきや、そこはテツ・イノウエ、バランス感覚というものをもっていてオタクでなくてもとても聴きやすいし何度聴いても飽きない。クリエイティブな作業しているときなどアイデアが浮かびまくり。想像感覚がとても刺激されます。4曲目の”Holy Dance”などは極力低音を抑えリズムが背景化していて、代わりに気持ちいメロディーと快音が全面に鳴り響いている。全体的に内容が良い。これぞアンビエントの真髄!?
間違いなく一家に一枚版。

01 karmic light
02 low vibration
03 ambiant otaku
04 holy dance
05 magnetic field
cd 72:27:57

2004年05月14日: mikado